パソコン耐用年数は4年|中古なら2年になる理由
2026/7/28
「このパソコン、まだ動くのに帳簿の上では終わっている」。経理から資産台帳を渡された情報システム担当者が、最初に引っかかるのがここです。会計上の耐用年数と、実際に使える年数は別物です。そして中古で取得した機体には、また違う年数が適用されます。この3つの数字がずれていることを知らないまま更新計画を立てると、償却の終わっていない機体を捨てたり、まだ価値の残る機体を倉庫で寝かせたりすることになります。まず、それぞれの数字を切り分けていきます。
パソコンの法定耐用年数は4年
減価償却資産の耐用年数等に関する省令では、パソコンは器具及び備品の「電子計算機」に分類されます。サーバー用を除いて4年、サーバー用は5年です。
この4年は、税務上どの期間で費用に振り分けるかを決めた数字であって、機械が壊れるまでの年数ではありません。ここを混同すると、更新計画そのものがずれていきます。
会計上の年数と実際に使える年数は違う
4年を過ぎたパソコンが使えなくなるわけではありません。逆に、4年経っていなくても業務に耐えなくなる機体もあります。実際の寿命を決めるのは、バッテリーとストレージの消耗、そしてOSの要件です。
Windows 10の通常サポートは2025年10月14日に終了しました。会計上まだ償却期間が残っていても、要件を満たさない機体は更新の対象になります。帳簿の年数と、使える年数と、OSが許す年数。この3つは一致しません。
中古市場に良質な業務機が集まっている理由
株式会社MM総研の調査では、2025年度の国内パソコン出荷台数は1,805万9,000台、前年度比32.6%増でした。法人向けだけで1,349万1,000台、33.6%増となっています。統計開始以来の最大値です。
企業が一斉に入れ替えたということは、直前まで社内で稼働していた機体が同じ規模で市場へ出たということでもあります。倉庫に眠っていた古い在庫ではなく、保守されてきた業務機が主流になっている点が、いまの中古市場の特徴といえます。
価格以外の利点
中古を選ぶ理由は本体価格だけではありません。同一機種を複数台まとめて確保できることも、実務では大きな意味を持ちます。
新品の場合、モデルチェンジで同じ構成が手に入らなくなることがあります。中古であれば、すでに流通している機体から同一型番を揃えられるため、キッティングの手順を1つに統一できます。台数の多い部署ほど、この差は効いてきます。
環境面での説明材料になる
サステナビリティ報告への記載を求められる企業も増えました。一般社団法人日本ITAD協会は、2022年4月から2025年3月までのリユースPC約316万台について、CO2削減効果を約65.5万t-CO2eqと算定しています。
1台あたりに直せば小さな数字ですが、更新サイクル全体で見れば報告できる規模になります。調達方針の転換として、社外に説明しやすい施策でしょう。
耐用年数を過ぎた機体を選ぶときの4つの判断基準
法定耐用年数を過ぎた機体は安く手に入ります。ただし、ここを外すと安く買ったつもりが1年で使えなくなります。
基準1:Windows 11の要件を満たしているか
Microsoftが公開しているWindows 11の要件には、TPM 2.0とUEFIセキュアブート対応、1GHz以上で2コア以上の64ビット対応プロセッサ、メモリ4GB以上、ストレージ64GB以上が含まれます。
Windows 10の通常サポートは2025年10月14日に終了しました。要件を満たさない機体を導入すると、更新できないまま使い続けることになります。型番だけで判断せず、TPMのバージョンを個体ごとに確認してください。
基準2:バッテリーとストレージの残寿命
ノートパソコン特有の確認項目がこの2つです。バッテリーは消耗品なので、購入時点での劣化度合いを聞いてください。設計容量に対する満充電容量の比率が示せる業者であれば、判断材料になります。
ストレージはSSDが前提です。SSDには書き込み可能な総量に上限があるため、使用時間ではなく総書込量で状態を確認できるかを尋ねてみてください。据置きで使う前提なら、多少劣化していても実用に支障が出ないこともあります。
基準3:保証とサポートの範囲
中古品の保証期間は業者によって幅があります。初期不良のみの対応か、一定期間の動作保証がつくのか。故障時に代替機が出るのかどうかも、業務で使う以上は確認しておきたい点です。
保証が短いほど本体価格は下がります。予備機を1台多めに確保して保証を割り切るという選び方も、台数が多い案件では合理的でしょう。
基準4:ライセンスの正当性
OSライセンスの出どころは必ず確認してください。中古機に正規のWindowsライセンスが付く仕組みがあり、認定を受けた事業者が再生した機体には正規のプロダクトキーが添付されます。
証書やラベルの有無、再セットアップ用の媒体が提供されるかを聞いてください。ここが曖昧な機体は、価格が安くても社内の情報システム部門を通せません。
中古パソコンの耐用年数は簡便法で2年になる
ここが本題です。中古で取得したパソコンには、4年とは別の年数が適用されます。
簡便法の計算式
国税庁の取扱いでは、中古資産を取得した場合、耐用年数を簡便法で見積もることができます。計算は2通りです。
- 法定耐用年数をすべて経過している場合:法定耐用年数 × 20%
- 一部を経過している場合:(法定耐用年数 − 経過年数)+ 経過年数 × 20%
いずれも1年未満の端数は切り捨て、2年未満になるときは2年とします。
パソコンの法定耐用年数は4年ですから、4年をすべて経過した中古機は「4年 × 20% = 0.8年」となり、2年未満なので2年が適用されます。2年落ちの機体なら「(4 − 2)+ 2 × 20% = 2.4年」で、端数を切り捨てて2年です。
つまり実務上、業務用として流通している中古パソコンの多くは2年償却になります。同じ金額を新品の半分の期間で費用化できるため、損益計画上の扱いが変わります。取得価額20万円未満で一括償却資産を選ぶ場合の扱いとあわせて、経理担当と確認しておいてください。
更新サイクルと再売却をセットで考える
中古で導入した機体も、いずれ手放します。導入時点で「何年使って、そのあとどうするか」を決めておくと、総コストが読めるようになります。
保有期間を短くすれば、再売却時の残存価値が残ります。長く使えば1台あたりの年間コストは下がりますが、出口では値がつきません。どちらが有利かは更新方針次第です。判断材料は法人向け中古パソコンの選び方にも整理しています。
出口ではデータ消去の設計が必要になる
手放す段階で必ず発生するのがデータ消去です。初期化しただけでは復元される場合があります。個人情報保護委員会は、機器を廃棄する際に復元不可能な手段で消去するよう求めており、外部委託した場合も委託元の監督責任は残ります。
導入時に「出口では誰がどの水準で消すのか」を決めておくと、更新のたびに検討し直す手間がなくなります。アスクライトのデータ消去サービスでは、専門技術者が作業したうえで対象機器を特定した証明書を発行しています。
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まとめ:4年、2年、そして実際の年数
整理します。パソコンの法定耐用年数はサーバー用を除いて4年。中古で取得すれば簡便法で2年。そして実際に使える年数は、バッテリーとストレージとOSの要件で決まります。
この3つを分けて考えられるようになると、更新計画の立て方が変わります。償却が終わった機体を惰性で使い続けるのではなく、まだ値がつくうちに手放して次の機体に替える。中古で取得すれば2年で費用化できるので、更新サイクルそのものを短く回せるようになります。
確認すべき項目は、Windows 11の要件、バッテリーとストレージの残寿命、保証の範囲、ライセンスの正当性の4つだけです。どれも導入前に確認できます。1台取り寄せて実機で確かめてから台数を決める。その進め方が、いちばん失敗しにくいと考えています。
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よくある質問
Q1. 中古ノートパソコンの寿命はどのくらいですか?
使用環境によりますが、業務機であれば導入から3年程度は実用できる例が多くみられます。バッテリーとストレージが先に消耗するため、この2点の状態が実質的な寿命を決めます。
Q2. Windows 11に更新できない中古機を買っても問題ありませんか?
インターネットに接続しない用途であれば選択肢になります。ただし通常の業務端末として使う場合、セキュリティ更新を受けられない状態は避けるべきでしょう。
Q3. 中古機のバッテリーは交換できますか?
機種によります。裏蓋を開けて交換できる設計もあれば、分解が必要な設計もあります。購入前に交換可否と部品の入手性を確認しておくと安心です。
Q4. 1台だけ試しに導入することはできますか?
可能です。アスクライトは1台からのご依頼を歓迎しています。実機で使用感を確かめてから台数を決める進め方でも問題ありません。
Q5. 導入した中古機は何年で売却するのが有利ですか?
一概には言えませんが、保有期間が短いほど再売却時の残存価値は高くなります。更新方針と償却期間を照らし合わせて決めてください。
Q6. 関東以外の地域でも対応していますか?
対応しています。関東1都6県は出張査定に伺い、それ以外の地域は宅配便での無料集荷をご利用いただけます。保管場所までお伺いするため、社内で運搬を手配する必要はありません。
Q7. 入れ替えで出た旧端末も引き取ってもらえますか?
お引き受けします。買取対象と処分対象が混在していても、まとめてお預かりして仕分けはこちらで行います。売買契約を結んだうえで、買取分は代金をお支払いします。
Q8. データ消去の証明書は発行してもらえますか?
発行しています。対象機器の型番とシリアル番号を記載した形でお渡ししますので、資産台帳との突き合わせや監査対応にご利用いただけます。
参考文献
1. タイトル:2025年度は過去最大、2026年度は一転大幅減に
出典元:株式会社MM総研
URL:https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=717
2. タイトル:リユースPC/CO2削減効果値の算定を開始
出典元:一般社団法人日本ITAD協会
URL:https://itad.or.jp/press/pdf/press_20260107.pdf
3. タイトル:Windows 11 の仕様とシステム要件
出典元:Microsoft
URL:https://www.microsoft.com/ja-jp/windows/windows-11-specifications
4. タイトル:Windows 10 のサポート終了
出典元:Microsoft Learn
URL:https://learn.microsoft.com/ja-jp/lifecycle/announcements/windows-10-end-of-support
5. タイトル:No.5404 中古資産の耐用年数
出典元:国税庁
URL:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5404.htm
6. タイトル:No.2100 減価償却のあらまし
出典元:国税庁
URL:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2100.htm
7. タイトル:一括償却資産を除却した場合の取扱い
出典元:国税庁
URL:https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hojin/04/03.htm
8. タイトル:データの消去に関する注意喚起
出典元:個人情報保護委員会
URL:https://www.ppc.go.jp/news/careful_information/data_syokyo/
監修者
幸代表(鄭 航)
株式会社アスクライト 代表取締役。
PC・OA機器のリユース・買取業界で10年以上の実務経験を持ち、2022年に株式会社アスクライトを設立。関東を中心に法人・個人向けのパソコン買取事業を展開しています。専門技術者による確実なデータ消去と、市場動向分析による高価買取を強みとしています。
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