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パソコン買い替えでやること|法人の手順書

2026/7/28

新しいパソコンの手配が終わって、ほっとしたところに残るのが旧機の山です。ここからが実は面倒で、資産台帳の処理、データの扱い、処分か売却かの判断が一度に降ってきます。しかも順番を間違えると、売れたはずの機体が値のつかない状態になります。同じ型番を2台出して査定額が3倍違った例もありました。片方は倉庫に2年置いた予備機、もう片方は先月まで現役だった機体です。何をどの順でやるかを、実務の流れに沿って整理します。

買い替え前にやること:旧機の棚卸し

新しい機体が届いてから考え始めると、たいてい手遅れです。発注の段階で旧機の扱いを決めておくと、後の作業が軽くなります。

対象機体を資産管理番号で特定する

まず、入れ替え対象を資産管理番号とシリアル番号で一覧にします。台数だけの管理では、あとから「1台足りない」となったときに追跡できません。

このリストは、売却の見積り依頼にもそのまま使えます。型番と台数が分かれば、業者は訪問前に概算を出せます。社内の稟議も、金額の見通しがある状態で回せます。

保管期間を作らない

倉庫にいったん置くと、そこから相場が下がり始めます。1年寝かせるだけで、相場帯そのものが1段下がることも珍しくありません。

新機の納品日と旧機の引き渡し日を近づけておくのが、金額面では最も有利です。使わないと決めた時点が、たいてい最も高く売れるタイミングです。

旧機がいくらになるかの決まり方

査定額は、買取業者が中古市場で売れると見込んだ金額から、整備費用と在庫リスクを引いた残りです。順番が逆になっていない点が大事です。

再販価格からの引き算で値が決まる

買取業者は、まず同型機がいくらで流通しているかを調べます。そこから清掃・部品交換・動作検証にかかる工数、保管期間中に値下がりする分、売れ残る確率を差し引きます。査定額はその残りです。

つまり再販先が明確な機種ほど高く、引き取り手が見えない機種ほど安くなります。「新品時に30万円だったから」という理屈は、この計算式のどこにも入ってきません。

ノートパソコンが買取市場の中心にある理由

電子情報技術産業協会(JEITA)の集計では、2025年度の国内パソコン出荷1,091万3,000台のうち、ノートパソコンが964万台を占めました。全体の88.3%です。デスクトップは127万3,000台にとどまりました。

流通量が多いということは、中古の買い手も多いということです。ノートパソコンは持ち運べる分だけ用途が広く、再販先が見つけやすい。だから同じ年式・同じ性能でも、デスクトップより値がつきやすい傾向があります。

台数がまとまると単価が動く

1台だけの査定と50台まとめての査定では、業者側のコスト構造が変わります。訪問・検品・データ消去・輸送の固定費が台数で割れるためです。

とはいえ、まとまるまで待つ判断が正解とは限りません。保管している間にも相場は動きます。この点はあとで詳しく触れます。

売却価値を左右する5つの条件

現場で価格差を生んでいるのは、次の5つです。上から順に影響が大きいと考えてください。

条件1:CPU世代とWindows 11対応

いま最も大きな分岐がここです。Microsoftが公開しているWindows 11の要件には、TPM 2.0とUEFIセキュアブート対応が含まれます。この条件を満たさない機体は、業務用の中古機として再販しにくくなりました。

Windows 10の通常サポートは2025年10月14日に終了しています。要件を満たすかどうかで、同じ年式の機体でも査定額は大きく割れます。売却前に、TPMのバージョンだけでも確認しておくと見通しが立ちやすいでしょう。

条件2:メモリとストレージの構成

メモリ8GBと16GBでは、再販時の想定用途が変わります。16GB以上あれば設計・開発・動画編集の用途にも回せるため、買い手の層が広がります。

ストレージはSSD搭載が前提になりました。HDDのみの機体は、SSDへの換装費用を差し引かれる形になります。容量よりも、まずSSDかどうかを見られていると考えてください。

条件3:外装・液晶・キーボードの状態

液晶のドット抜け、天板の凹み、キートップの摩耗、ヒンジのがたつき。この4点は減額の理由になりやすい箇所です。特に液晶とヒンジは部品代が高く、影響が大きくなります。

一方で、シールの貼り跡や薄い擦り傷は、清掃で戻る範囲であれば大きくは響きません。無理に自分で剥がして塗装を痛めるより、そのまま出したほうが結果が良いこともあります。

条件4:付属品と型番情報

ACアダプタの有無は、そのまま金額に反映されます。純正品が残っていれば必ず添えてください。ドッキングステーションや純正マウスも同様です。

型番は本体裏面のラベルに記載されています。事前に型番と台数を一覧にしておくと、訪問前におおよその金額が出せるため、社内での稟議も進めやすくなります。

条件5:売却のタイミング

ここが最も見落とされる条件です。株式会社MM総研の調査によると、2025年度の国内パソコン出荷台数は1,805万9,000台、前年度比32.6%増でした。統計開始以来の最大値です。法人向けだけでも1,349万1,000台、33.6%増となりました。

入れ替えが集中したということは、時間差で同じ量の旧端末が中古市場へ流れるということでもあります。同社は2026年度の出荷を前年度比37.8%減の1,123万台、法人向けは40.2%減の807万台と予測しています。供給が増えて需要が落ちる局面では、中古相場は下向きに動きます。

倉庫に置いておけば価値が保たれるわけではありません。使わないと決めた時点が、たいてい最も高く売れるタイミングです。

引き渡しまでにやること

金額の見通しが立ったら、次は社内手続きと情報管理です。ここを詰めておかないと、査定後に話が止まります。

会計処理を経理と確認する

固定資産として計上している機体は、除却か売却かで処理が変わります。取得価額20万円未満で一括償却資産を選んでいる場合、途中で処分しても未償却残高を一括で損金にはできません。

「捨てれば損金になる」という理解のまま進めると、決算で食い違いが出ます。棚卸しのリストができた段階で、経理担当に一度渡しておくと安全です。

データ消去をどこまで自社で行うか

初期化しただけでは、データが残る場合があります。米国国立標準技術研究所(NIST)が2025年9月に公表した「SP 800-88 Rev. 2」は、消去の到達水準をClear・Purge・Destroyの3段階で整理しました。通常のフォーマットは、このうち最も浅い水準にも届かないことがあります。

個人情報保護委員会も、機器を廃棄する際は復元不可能な手段で消去するよう求めています。外部に委託する場合でも、委託元の監督責任は残ります。証明書を受け取って終わりではなく、対象機器のシリアル番号が記載されているかまで確認してください。アスクライトのデータ消去サービスでは、専門技術者が作業したうえで証明書を発行しています。

見積りから入金までの流れ

一般的な流れは、型番リストの送付、概算見積り、訪問または宅配での実機査定、金額の確定、売買契約、引き渡し、入金の順です。関東1都6県(東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・栃木・群馬)であれば、保管場所まで伺って現地で査定できます。

社内の決裁に時間がかかる場合は、概算見積りの段階で書面を出してもらうと稟議が通しやすくなります。買取の流れも併せてご確認ください。

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まとめ:やることの順番

買い替えでやることを順に並べると、こうなります。①対象機体を資産管理番号で一覧化する ②新機の納品日と旧機の引き渡し日を近づける ③経理と会計処理を確認する ④データ消去の水準を決める ⑤査定を受けて売却と処分を仕分ける。

このうち金額に効くのは①と②です。5つの条件のうちCPU世代とスペックはあとから変えられませんし、外装の状態も使ってきた以上は受け入れるしかありません。動かせるのは、付属品を揃えることと、引き渡しの時期を自社で決めることの2つでしょう。

そして査定額の根拠を説明できる業者を選ぶことも、結果的に金額を左右します。金額の内訳と減額理由を聞いて、答えが返ってこない場合は一度立ち止まったほうがよいかもしれません。

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よくある質問

Q1. 故障して起動しないノートパソコンでも買取できますか?

対応しています。部品取りとしての価値が残るため、金額がつく場合があります。起動しない機体はデータ消去の方法が変わるので、状態をお伝えいただけると確認が早く進みます。

Q2. 1台だけでも査定してもらえますか?

可能です。アスクライトは1台からのご依頼を歓迎しています。部門単位の少量入れ替えや、役員機の単体売却といったご相談も通常のフローで受け付けています。

Q3. Windows 10のままでも売れますか?

売却できます。ただしWindows 11の要件を満たす機体と比べると、査定額に差が出ます。要件を満たしていれば年式が古めでも値がつくことがあるため、型番だけでもお知らせください。

Q4. データ消去は自社でやるべきでしょうか?

社内で消去してから出す運用でも構いません。ただし復元不可能な水準まで到達しているかの検証が必要です。当社に任せていただければ、専門技術者が作業し、対象機器のシリアル番号を記載した証明書を発行します。

Q5. 関東以外の地域でも対応していますか?

対応しています。関東1都6県は出張査定に伺い、それ以外の地域は宅配便での無料集荷をご利用いただけます。保管場所までお伺いするため、社内で運搬を手配する必要はありません。

Q6. ACアダプタが見つからない場合はどうなりますか?

査定は可能です。純正アダプタがない場合は減額対象になりますが、本体の価値がなくなるわけではありません。数台分をまとめて探すより、まず現状で見積りを取ることをおすすめします。

Q7. 買取と処分が混在していても依頼できますか?

できます。買取対象の機器と処分が必要な機器をまとめてお引き受けするため、窓口を分ける必要がありません。仕分けもこちらで行います。

Q8. 見積りから入金まではどのくらいかかりますか?

台数と状態によりますが、実機査定のあとに金額を確定し、売買契約を経て入金します。急ぎの案件は事前にお知らせいただければ、日程を調整のうえ対応します。

参考文献

1. タイトル:2026年3月パーソナルコンピュータ国内出荷実績
出典元:一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)
URL:https://www.jeita.or.jp/japanese/stat/pc/2026/03.html

2. タイトル:2025年度は過去最大、2026年度は一転大幅減に
出典元:株式会社MM総研
URL:https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=717

3. タイトル:Windows 11 の仕様とシステム要件
出典元:Microsoft
URL:https://www.microsoft.com/ja-jp/windows/windows-11-specifications

4. タイトル:Windows 10 のサポート終了
出典元:Microsoft Learn
URL:https://learn.microsoft.com/ja-jp/lifecycle/announcements/windows-10-end-of-support

5. タイトル:SP 800-88 Rev. 2, Guidelines for Media Sanitization
出典元:National Institute of Standards and Technology(NIST)
URL:https://csrc.nist.gov/pubs/sp/800/88/r2/final

6. タイトル:データの消去に関する注意喚起
出典元:個人情報保護委員会
URL:https://www.ppc.go.jp/news/careful_information/data_syokyo/

7. タイトル:一括償却資産を除却した場合の取扱い
出典元:国税庁
URL:https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hojin/04/03.htm


監修者

幸代表(鄭 航)

株式会社アスクライト 代表取締役。

PC・OA機器のリユース・買取業界で10年以上の実務経験を持ち、2022年に株式会社アスクライトを設立。関東を中心に法人・個人向けのパソコン買取事業を展開しています。専門技術者による確実なデータ消去と、市場動向分析による高価買取を強みとしています。

  • 所在地:〒352-0011 埼玉県新座市野火止2-12-8
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